開催日 2017年10月29日
参加者 13名
No | 地区 | 蒸留所 | ビンテージ | 年数 | 度数 | 備考 |
1 | スペイサイド | インペリアル | 1995 | 20年 | 54.8% | シグナトリー |
2 | スペイサイド | インペリアル | 1998 | 11年 | 55.6% | ダンカンテイラー |
3 | スペイサイド | インペリアル | 1995 | 16年 | 51.7% | アチーブス |
4 | スペイサイド | インペリアル | 1995 | 18年 | 50.4% | K6 |
5 | スペイサイド | インペリアル | 1990 | 19年 | 53.9% | ダンカンテイラー |
テイスティングノート
山崎 白秋記
今月のお題は、「インペリアル」 である。
前回の登場が2006年の1月なのでほぼ12年ぶりの登場、当時蒸留したモルトが出回っていてもおかしくない時が経っている。
そんなことなので、かなりレアなモルトと言って良い。前回のテイスティングノートでは、あまり芳しくない評価であったが今回はどうであろうか。
さっそく今回の5本を紹介することにしよう。
[ NO.1 ]シグナトリー インペリアル cask no.50254+50256 174-495 1995-2016 20年 54.8%
【 香り 】
フルーティでエレガント、優しい甘さが香る、しばらくすればバニラ香も立ってくる。
【 味 】
打って変わって、ドライで辛い、フルーツも弱めだ。加水すればフルーツが広がるが、にがみも感じられる。
[ NO.2 ] ダンカンテイラー ザ・オクタブ インペリアル cask no.510470 1/70
1998-2010 11年 55.6%
【 香り 】
軽いフルーツ香、リンゴ系の香りだ。しばらくすれば、バニラの香りが見え隠れする。
【 味 】
フルーティーではあるが、若さ由来の硬さもある。味の数は少ない。時に湿気た含み香も。
[ NO.3 ] アーカイブス インペリアル バーボン cask no.50035 1/60 1995-2012 16年 51.7%
【 香り 】
すぐさま立つウッディな香り、熟成感は十分だ。バニラの甘い香りがアクセントだ。
【 味 】
ピリピリ感を伴なって口に広がる、そんなシャープさは、しだいに穏やかになりウッディな熟成感を楽しめるようになる。
[ NO.4 ]BAR K6 インペリアル 1996 18年 50.4%
【 香り 】
香りの立ちが早く、深い香りが広がる。しばらくグラスを回していれば、フルーツも多数感じるようになる。
【 味 】
ピリピリ感があり、硬く辛い。加水すれば、柔らかな印象に変わり、深みのある木香と、爽やかなフルーツが同居するモルトとなる。
[ NO.5 ] ダンカンテイラー インペリアル cask no.450 93/156 1990-2009 19年 53.8%
【 香り 】
香りの立ちが遅いがしばらくすると、まったりとした甘い香りが広がる。さらにエステリーな香りも出てくるが、香りの数自体は多く無い。
【 味 】
リフィルシェリー樽熟成のような甘い香りが広がる。深みも十分であるが、ややアルコール感を伴なう。加水すればフルーティな印象に変わり、華やかになる。
開催日 2017年11月26日
参加者 13名
No | 地区 | 蒸留所 | ビンテージ | 年数 | 度数 | 備考 |
1 | スペイサイド | グレンフィディック | 1997 | 19年 | 50.5% | エイコーン |
2 | スペイサイド | グレンフィディック | 1997 | 19年 | 50.7% | ウィスク・イー |
3 | スペイサイド | グレンフィディック | | 15年 | 51.0% | オフィシャル |
4 | スペイサイド | グレンフィディック | 1997 | 19年 | 52.9% | スコッチユニバース |
5 | スペイサイド | グレンフィディック | | | 57.0% | オフィシャル |
テイスティングノート
山崎 白秋記
今月のお題は、「グレンフィディック」 である。
門外不出で知られたグレンフィディック、巷に出回っているのはすべてがオフィシャルボトルである。モルト会でのテイスティングは、ボトラーズ物のカスクストレングスがメインなので、このスペイサイドモルトが5本揃うことはかつて無かった。
そして、19年目にしてついにフィディック5本である。テイスティングを進めていて、バラエティ豊かな5本であることことから、メジャーな蒸留所とあたりを付けたが、夢にもフィディックとは思わなかった。
スペイサイドに絞って蒸留所を当てに行くが、最後までグレンフィディックに行き着くことは無かった。
さて前置きはこのくらいにして、さっそく今回の5本を紹介することにしよう。
[ NO.1 ]エイコーン ニューハーモニー ウォードヘッド ホッグスヘッド 1/186
1997-2016 19年 50.5%
【 香り 】
トップノートはリンゴ系のフルーツ。ややアルコールを感じるが、すぐさまエレガントな香りが出てくる。
【 味 】
ドライと感じるが、フルーツの数は少なく無い。旨み成分を多く含み、味わい深い。
[ NO.2 ] ステラーセレクション ウォードヘッド ホッグスヘッド 1/188 1997-2016 19年 50.7%
【 香り 】
フルーティだが、スパイシー。しだいにミントの爽やかさ、そして酸味と甘みが立ってくる。
【 味 】
フルーティーで、やや深みのある味わい。時に湿気た含み香、旨み成分も感じられる。加水により麦芽由来の含み香を感じつつ、フルーツの数が増えてくる。
[ NO.3 ] オフィシャル グレンフィディック 15年 51%
【 香り 】
リフィルシェリーの甘い香りと、フルーティな個性。しだいにエレガントな香りが広がってくる。さらにはバニラが強く立つとともに、ウッディな樽香も。香りの数は極めて多い。
【 味 】
フルーティな華やかさが広がった後、深みのあるウッディな味わいに変化する。たいへんうまいモルトだ。
[ NO.4 ]VOYAGER T ファーストフィル コート・ド・ボーヌ ワインバリック 1997-2016 52.9%
【 香り 】
深い香りがすぐさま広がる。その後、上品なエステルが立ってくる、わず かにセメダインの香りも。フルーツの香りはリンゴ系だ。
【 味 】
エステリーを感じた後、こげたゴムと湿気た香り、シェリー樽の個性が強く出てくる、心地よい種類の物では無い。
[ NO.5 ] オフィシャル グレンフィディック 101プルーフ セラミックボトル 57.7%
【 香り 】
爽やか、かつ深い香り。しだいに甘いバニラもひろがってくる。さらに注意深くすれば、かつて経験の無い華やかな香りも。香りの数は多くないが楽しめる香りだ。
【 味 】
エステリーで甘い含み香、爽やかでありながら深みも感じる。加水すれば極めて多彩なフルーツが出現する。
開催日 2017年12月24日
参加者 13名
No | 地区 | 蒸留所 | ビンテージ | 年数 | 度数 | 備考 |
1 | Other's | 山崎 | 2000 | 10年 | 55.0% | オフィシャル |
2 | Other's | 山崎 | 1994 | 11年 | 59.0% | オフィシャル |
3 | Other's | 山崎 | 1995 | 11年 | 63.0% | オフィシャル |
4 | Other's | 山崎 | 1995 | 13年 | 63.0% | オフィシャル |
5 | Other's | 山崎 | 1999 | 10年 | 56.0% | オフィシャル |
テイスティングノート
山崎 白秋記
今月のお題は、「山崎」 である。
クリスマス・イブにモルト会である。もちろん気の利いたレストランで、彼女とディナーを楽しむメンバーはいないので、文句が出ることは無い。
そんな夜なので、特別なモルトが出されるのではないかと期待をしてしまうのも無理は無い。飛び切りのモルトがサーブされたのは言うまでもないが、ホワイトクリスマスならぬ、レイニー・クリスマスにゆっくりとモルトを楽しむのも悪くない。
さてテイスティングを終えてみれば、ほぼ山崎ではないかと推理は固まっていた。ピートの強いモルトが一本、その他はスペイサイドの典型、最後には黒に近い赤のモルトが一本。こんなバラエティ豊かに、尚且つこれだけレベルが高いモルトを揃えるのはサントリーしか無い。
驚くことに、最も熟成が長いもので13年、ほとんどが10年物である。アルコール度数も63%を保っているので、小さい樽で早熟させた物でもなさそうである。
さらに驚くのは、5本中4本が近江エージングセラーなのである。熟成庫のロケーションは名神高速八日市インターの近くであり、どうみても熟成に適した場所と言われているような所ではない。「静かな水辺でひっそり」とは無縁の場所である。
そんな環境でも、素晴らしい熟成をさせてしまうサントリーの力には驚くばかりである。
さて前置きはこのくらいにして、さっそく今回の5本を紹介することにしよう。
[ NO.1 ]オーナーズカスク 山崎/近江 バレル cask no.EV70121 012/ 2000-2010 10年 55%
【 香り 】
トップノートはエレガントなフルーツ香、その後ろには上品なエステル。しばらくすると深みが増してくる、奥にはピート香も。
【 味 】
深みのある木香、すぐさまピートが現れる。ピートは強い、ただしヨードはあまり感じられない。加水しても印象は変わらないが、わずかにフルーツが出てくる。
[ NO.2 ] オーナーズカスク 山崎/近江 バレル cask no.4Q700069 074/
1994-2005 11年 59%
【 香り 】
トップノートは柔らかく甘い香り。すぐさま熟成由来のウッディな香りに包まれる。奥にはバニラ香も。
【 味 】
アルコール感が強くドライと感じる。しかし加水するとフルーツが多数出現して、極めて華やかになる。やや若さを感じる時もあれば、熟成由来の樽香を感じる時もある。
[ NO.3 ] オーナーズカスク 山崎/山崎 ホッグスヘッド 137/166 1995-2006 10年 63%
【 香り 】
ファーストフィル熟成と思われる深く、そして甘い香り。香りの数は多く、かつ複雑である。
【 味 】
ウッディな含み香が素晴らしい、さらに上質なフルーツも。加水すれば、フルーツの競演となり、たいへん華やかだ。旨みや甘さが強い。
[ NO.4 ]オーナーズカスク 山崎/近江 パンチョン cask no.70190 500/553 1995-2008 63%
【 香り 】
トップノートはエレガントなフルーツ香。青空を思わせるような爽やかな香り。しだいに深みは増し、さらに酸味を伴ないながら甘いバニラも香る。
【 味 】
フルーティの極み。アルコールが強くピリピリするが、ウッディな含み香が素晴らしい。加水すればさらにフルーツの数は増える。
[ NO.5 ] オーナーズカスク 山崎/近江 ボタ・コルタ cask no.DV70368 1/402
1999-2009 56%
【 香り 】
ヒネ香、紹興酒を思わせる香り。わずかにエステリーな香りも感じ取れるが酸化臭にマスキングされている。
【 味 】
シェリー樽熟成の焦げたゴムが強いが、比較的早く消えていきエレガントかつ、南国フルーツが現れる。加水しても個性は変わらないが、最後に樽の良さを感じることになる。
開催日 2018年1月28日
参加者 13名
No | 地区 | 蒸留所 | ビンテージ | 年数 | 度数 | 備考 |
1 | ハイランド | エドラダワー | 2003 | 10年 | 59.0% | オフィシャル |
2 | ハイランド | エドラダワー | 2003 | 13年 | 53.6% | オフィシャル |
3 | ハイランド | エドラダワー | | | 40.0% | オフィシャル |
4 | ハイランド | エドラダワー | 2004 | 13年 | 53.1% | オフィシャル |
5 | ハイランド | エドラダワー | 1991 | 11年 | 60.2% | オフィシャル |
テイスティングノート
山崎 白秋記
今月のお題は、「エドラダワー」 である。
パヒュームといえば1980年代に蒸留されたボウモアが良く知られているが、もうひとつの個性的なパヒュームがエドラダワーであろう。ボウモアと同じパヒュームはグレンギリーなどにも見受けられるが、エドラダワーのそれはまったく異なったパヒュームである。
今回のテイスティングでも口に含んですぐにエドラダワーと特定できたので間違いはないところである。
さて、話がややこしいのが、エドラダワー蒸留所としてピートを強くたいたブランド、バレッヒェンをリリースしていることである。スペサイドの個性を中心に、別のボトルでは強いピートもある、ジャパニーズモルトと思ってしまった次第だ。
そんなエドラダワーではあるが、最近のボトルではパヒュームが消えたとの噂である、真偽の程は定かではないが、個性として残してもらいたいと強く思う。
さて前置きはこのくらいにして、さっそく今回の5本を紹介することにしよう。
[ NO.1 ]オフィシャルボトル エドラダワー バーボンカスク 2003-2013 59%
【 香り 】
繊細かつ、煌びやかなフルーツが香る。しだいに樽由来の深みが広がる、さらにシュガーをたっぷり振ったケーキの香りも。
【 味 】
香りの割りに味わいはドライである。しばらくすれば、花のような含み香が。基本的にはフルーティーで、かすかにピートを伴なう。
[ NO.2 ] オフィシャルボトル バレッヒェン リフィル・ホッグスヘッド cask no.175 1/289
2003-2017 13年 53.6%
【 香り 】
トップノートはピート、ジャーキーな香りも強い。注意深くすれば、フレッシュなフルーツも感じられる。
【 味 】
ピートがたいへん強い。酸味と甘さがあり、シャープなピートに深みを乗せている。
[ NO.3 ] オフィシャルボトル エドラダワー 10年 40%
【 香り 】
苦味、渋みのあとにスイートな香りが立つ。赤ワインの香りもかすかに感じられる。時間が経てばフルーティーな香りが前面に出てくる。
【 味 】
すぐに分るエドラダワー特有のパフュームが舌に纏わり付く。トースティーで深い味わい。
[ NO.4 ]オフィシャルボトル バレッヒェン バーガンディカスク cask no.2 1/403
2004-2017 13年 63%
【 香り 】
ワイン樽熟成のようなスィートな香り。ピート香は強いが、しばらくすれば深みが増すとともにエレガントな香りも立ってくる。
【 味 】
中程度のピート。湿気た味わいはシェリー樽由来のものか。ピートの奥にはわずかにパフュームを感じる。
[ NO.5 ] オフィシャルボトル・シグナトリー エドラダワー シェリーバット cask no.265 1/902
1991-2002 60.2%
【 香り 】
渋みの中にスィートでエレガントな香り。ワインフィニッシュを思わせる香りも。酸味が心地よく、奥にはピートも感じられる。
【 味 】
エドラダワーの特徴的なパフューム。トースティな味わいが強い、わずかにピートを感じる。
開催日 2018年2月25日
参加者 13名
No | 地区 | 蒸留所 | ビンテージ | 年数 | 度数 | 備考 |
1 | スペイサイド | グレングラント | 1997 | 18年 | 50.1% | デュワーラトレーー |
2 | スペイサイド | グレングラント | 1995 | 21年 | 52.5% | シグナトリー |
3 | スペイサイド | グレングラント No.9.37 | 1988 | 17年 | 58.8% | ソサエティ |
4 | スペイサイド | グレングラント | 1985 | 26年 | 55.6% | エクスクルーシブ モルツ |
5 | スペイサイド | グレングラント | 1971 | 36年 | 53.6% | ウィスキーエージェンシー |
テイスティングノート
山崎 白秋記
今月のお題は、「グレングラント」 である。
言わずと知れたスペイサイドのビッグネームである、ボトラーズ物も多く出回っているらしく、これで4回目の登場だ。
グラントといえば、シェリー樽の長熟物を得意としている印象が強いが、もちろんそれだけで無くバラエティ豊かなタイプのモルトをリリースしている。今回もまさにバラエティに富んだモルトがサーブされ、満足度の高い会だった事を記しておく。
さて前置きはこのくらいにして、さっそく今回の5本を紹介することにしよう。
[ NO.1 ]ADラトレー グレングラント バーボンホッグスヘッド cask no.148490
1997-2016 18年 50.1%
【 香り 】
トップノートは爽やかなフルーツ、様々なぶどうが香る。しばらくグラスを回していれば、甘いバニラが広がる。
【 味 】
極めてフルーティだが、意外とドライである。旨み成分を感じる。
[ NO.2 ] シグナトリー グレングラント バーボンバレル cask no.88219+88220 55/384
1995-2017 21年 52.5%
【 香り 】
香りの立ちが遅い、しばらくすれば爽やかなフルーツが香る。奥には熟成由来のウッディな樽香が。
【 味 】
梅を感じさせる含み香。フルーティだが、ドライ。程よい酸味が心地よい。加水すればフルーツの数が増えてくる。
[ NO.3 ] SMWS 9.37 グレングラント 1988-2005 17年 58.8%
【 香り 】
フルーティに香るがたいへん深く、濃い香りだ。それでいてエレガントで華やかである。
【 味 】
極めてフルーティだが、アルコール感が強く、やや熟成が足りていない。加水してもドライだ。
[ NO.4 ]エクスクルーシブモルツ グレングラント cask no.10189 1/203 1985 26年 55.6%
【 香り 】
ややトースティだが、基本はフルーティ。しばらくするとエステリー感が増えるとともにウッディな熟成感も出てくる。
【 味 】
たいへん高品質な樽の味わい、じつに美味い。加水すれば南国フルーツが口一杯に広がる。
[ NO.5 ] ウイスキーエージェンシー グレングラント シェリー 1/251 1973-2010 53.6%
【 香り 】
エステリー感が強い、ややトースティだがエステルにマスキングされる。濃い香りだがエレガントである。
【 味 】
エステリーで濃い味わいだが、極めて上質だ。甘さが心地よい。やや味の数が少ないところが難点。

Copyright © 2000-2018 Stand Bar All rights reserved.