開催日 2011年12月25日
参加者 13名
| No | 地区 | 蒸留所 | ビンテージ | 年数 | 度数 | 備考 |
| 1 | スペイサイド | グレングラント | 1975 | 35年 | 50.0% | ダグラスレイン |
| 2 | スペイサイド | グレングラント | 1969 | 41年 | 53.7% | ダンカンテイラー |
| 3 | スペイサイド | グレングラント | 1974 | 34年 | 54.5% | ダンカンテイラー |
| 4 | スペイサイド | グレングラント | 1972 | 39年 | 51.1% | ウィスキーエージェンシー |
| 5 | スペイサイド | グレングラント | 1973 | 36年 | 53.6% | ウィスキーエージェンシー |
テイスティングノート
山崎 白秋記
今月のお題は、「グレングラント」である。
いわずと知れたビッグネームである、過去にも数回登場していることからボトラーズ物も豊富に出回っていると言えよう。
グレングラントといえば、シェリーカスクという印象が強いが、実はバラエティー豊かなモルトがたくさんリリースされている。
今回もそんな印象は変わらないが、そのレベルが違うのである。5本トータルでの熟成年数が185年、平均年数で37年である。この記録は今後しばらく更新されることは無いであろう。
そんなスペックにたがわずモルトのレベルが高かったことをここに報告しておく。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう
[ NO.1 ] オールドモルトカスク グレングラント ブランデーバット 1975-2010 one/371 50%
【 香り 】
トップノートで感じるのは、たいへんシャープな印象。しだいにキャラメル香が出てきてふくよかな香りに変わってくる。さらにいくつものフルーツが現れる。奥には軽いピート香と、さりげない熟成香。
しばらくグラスを廻していると、キャラメル香が強くなる。キャラメルとは樽のキャラクターが違うが、シェリーカスクのえぐみも出てくる。
【 味 】
シェリー樽の個性、焦げたゴムの一歩手前。たいへんトースティ、やや単調ではあるが熟成は感じられる。奥にはしっかりとしたフルーツ。
[ NO.2 ] ダンカンテイラー ピアレス グレングラント オーク 1969 41年 53.7%
【 香り 】
エレガントなエステル香が印象的だ、たいへん上質に感じる。さわやかに、かつ甘く香る熟成香。
たいへんウッディに香る。かすかに伽羅の香りも、ミズナラ樽熟成か。
【 味 】
ウッディでほろ苦い、深々とした味わい。素晴らしい熟成感と酸味。さらには数種類のフルーツがあらわれ、たいへん複雑な含み香。
[ NO.3 ] ダンカンテイラー レア オールド グレングラント 1974-2009 65/220 34年 54.5%
【 香り 】
フルーツの競演、わずかにキャラメル香。しばらくするとさらに香りは開いてきて、木の香りが広がる、ウッディとは表現しない木の香りである。シャープなウッディとでも言っておこう。
時間とともに木の香りは数を増す。
【 味 】
酸味、甘み、ウッディの三拍子に酔いしれる。たいへん心地よいモルトである。
[ NO.4 ] ザ・パーフェクトドラム グレングラント EXシェリー・ホッグスヘッド 1/148
1972-2011 39年 51.1%
【 香り 】
高級な梅の香り、いままで味わったことの無い香りだ。爽やかであでやか。奥にはかすかにピート。
【 味 】
フルーティー・アンド・フルーティー。良い意味での、ぴりぴりとしたシャープな味わい、アルコール感とは別の物である。
かすかにピートがスパイスとなっている。
[ NO.5 ] ウイスキーエイジェンシー グレングラント シェリー 1/251 1973-2010 36年 53.6%
【 香り 】
エレガントなフルーツがいくつも香る。時折わずかなピート香が現れる。素晴らしい熟成感がさりげなく香り、通好みの一本である。しばらくするとバニラ香も感じられる。
【 味 】
甘酸っぱい味わい、フルーティーが前面に出るが熟成感も十分だ。旨み成分もしっかり感じ取れる。
開催日 2012年1月22日
参加者 13名
| No | 地区 | 蒸留所 | ビンテージ | 年数 | 度数 | 備考 |
| 1 | スペイサイド | グレンエルギン | 1984 | 25年 | 42.5% | ブラッドノックフォーラム |
| 2 | スペイサイド | グレンエルギン | 1984 | 25年 | 43.8% | ディキッドサン |
| 3 | スペイサイド | グレンエルギン | 1975 | 35年 | 47.2% | キングスバリー |
| 4 | スペイサイド | グレンエルギン | 1984 | 25年 | 48.7% | ウィスキーエージェンシー |
| 5 | スペイサイド | グレンエルギン | 1991 | 17年 | 54.5% | エイコーン |
テイスティングノート
山崎 白秋記
今月のお題は、「グレンエルギン」である。
一度ならずとも聞いたことがある蒸留所であろう、ホワイトホースのキーモルトで有名でもある。ただモルトのバラエティとなるとたいへん寂しい。
過去にこの会で一度取り上げられているが、当時5本揃ったのは奇跡に近いのではないだろうか。
そんな数少ないグレンエルギンであるが、過去ログのテイスティングノートを見てみると、ボトラーズも様変わりしているのがわかる。
さて今回モルトであるが、悪く言ってしまえば没個性、よく言えばバランスのとれたたいへん上品な味わいである。
そんなスペイサイドのスタンダードともいえる個性を持つグレンエルギンではないだろうか。
さて、今回のモルト5本を紹介しよう
[ NO.1 ] ブラッドノックフォーラム グレンエルギン ホッグスヘッド cask no.2852
1984-2010 139/219 25年 42.5%
【 香り 】
トップノートはエステリー、追ってミントが立ってくる。たいへんエレガントに香る高級フルーツ。しばらくすると、微発泡を思わせる酸味が現れる。
時間とともにモルトの温度が上がってくるとキャラメルの香りも。
【 味 】
甘く、優しい味わい。スイートなキャラメルも心地よい。フルーティさも申し分なく甘さとバランスしている。
[ NO.2 ] リキッドサン グレンエルギン 1984-2009 25年 43.8%
【 香り 】
エレガントに香り、さり気ない気品を感じる。ミント、ハッカの香りも酸味と共に心地よい。
しだいに深みのある熟成香が広がってくる。ウッディな樽香も申し分ない。
【 味 】
たいへんエステリーであるが、旨み成分も多く味わい深い。軽くウッディな含み香が口に広がるが、ややドライで重厚なタイプでは無い。押し出しの強く無い熟成感は通好みのモルトである。
[ NO.3 ] キングスバリー・フィネスト アンド レアレスト グレンエルギン
1975 35年 47.2%
【 香り 】
トップノートは上品なエステル香、包み込まれるような甘さも心地よい。温度が低いのにもかかわらずたいへん香りの立ちが速い。
爽やかさと酸味の個性はスペイサイドモルトか。
【 味 】
たいへんエステリーで、フルーティ。かすかなピートが感じられる。口の中でややピリピリとする。
[ NO.4 ] ウイスキーエイジェンシー グレンエルギン EXバーボン 1984-2009 25年 48.7%
【 香り 】
フルーティ、酸味、甘みなどが程よくバランスした香り。しかし香りの立ちは遅く、香りが弱く感じられる。
フルーツはたいへん優しい梨の香りであり、ほのかなエステリーに癒される。
【 味 】
味は一転してピリピリとドライである。フルーティではあるが香りは弱い、ただし旨みは強く、味わい深いタイプのモルトだ。
[ NO.5 ] エイコーン 150th アニバーサリーオープニング・オブ・ヨコハマポート グレンエルギン 1991-2009 17年 54.5%
【 香り 】
シェリー樽の個性、たいへんトースティ。焦げたゴムの一歩手前。シェリーの個性にマスキングされているが、本来はフルーティでエステリーな香りである。
しだいにえぐみ感が強くなる。
【 味 】
味は典型的なシェリーカスク、こげたゴムとにがみを感じさせる。
開催日 2012年2月26日
参加者 13名
| No | 地区 | 蒸留所 | ビンテージ | 年数 | 度数 | 備考 |
| 1 | アイラ | ポートエレン | 1982 | 25年 | 51.0% | ゴールデンカスク |
| 2 | アイラ | ポートエレン | 1980 | 25年 | 55.8% | ダグラスマックギボン |
| 3 | アイラ | ポートエレン | 1978 | 23年 | 56.0% | シグナトリー |
| 4 | アイラ | ポートエレン | 1978 | 23年 | 60.9% | ダグラスマックギボン |
| 5 | アイラ | ポートエレン | 1982 | 24年 | 58.7% | パルデジャンジュ |
テイスティングノート
山崎 白秋記
今月のお題は、「ポートエレン」である。
ポートエレン、なんて響きの良いネーミングだろう、名前で売れるモルトというのがあるのかもしれない。
女性の名前や花の名前などが付くとモルトも人気が高い、ローズバンク、クライネリッシュなんかもそうなのだろう、サイレントともなるとなおさらだ。
1985年に蒸留を止めてしまったポートエレンではあるが、ボトラーズものは豊富なようだ。ただし今後は年数も経ってくるので高額なモルトばかりになるのは残念だ。
さて、今回のテイスティングであるが、ピートが強くアイラモルトには間違い、ただそのあとが分らない。微妙なパフューム香がありボウモアという選択肢もあったが、2000年ごろに出回っていたボウモアのパフュームとは別のものであった。
そのパフュームであるが、過去ログ第78回「ポートエレン」を読み返してみると「ごく軽く化粧品」と記されており、今回と同じ印象を持っていたのには正直驚いた。ポートエレン=軽い化粧品香、いままでこんな図式を感じたことがないのである。
そんなポートエレンであるが、ピートの個性を取り除いてみると、たいへんエレガントで上品に香り、十分人気に値するモルトと感じたしだいである。
さて、今回のモルト5本を紹介しよう
[ NO.1 ] ザ・ゴールデンカスク ポートエレン cask no.cm105 1982-2007 173/355 51%
【 香り 】
トップノートは軽いミント。奥には金属の香りも。その後、いがいがと軽いピート香を感じるようになる。
ピートにマスキングされてはいるが、しだいにエレガントな印象が強くなってくる。
【 味 】
爽やかな酸味が心地よい。ベースとなるのは中程度のピート。甘さとシャープさが同居しているモルトだ。
[ NO.2 ] ザ・マックギボン プロブナンス ポートエレン リフィル ホッグスヘッド
1980-2006 25年 55.8%
【 香り 】
トップノートはミント、次に軽いピート香。すぐに香りは開き、酸味、エレガントなフルーツ香がストレートに立ってくる。注意深くすると軽いパフューム香が感じられる。
【 味 】
酸味とエレガントなフルーツが印象的だが、すぐにピートにマスキングされる。たいへん濃い味わいだ。
[ NO.3 ] シグナトリー ポートエレン cask no.5845 1978-2002 92/264 23年 56%
【 香り 】
トップノートはピート香、追ってミントの香り。しだいに酸味がアクセントとして加わる。
さらに時間をかけると、まったりとしたキャラメル香を感じるようになる。
【 味 】
酸味がとても美味しく感じられるモルトである。ピートは中程度に効いている。アルコール感が強いのでじっくりと楽しみたい。
[ NO.4 ] ザ・マックギボン プロブナンス ポートエレン 1978-2002 23年 60.9%
【 香り 】
エレガントなフルーツ主体のトップノート、次に砂糖水を連想させる香りが立ってくる。単純で若く感じたり、深い香りと感じられたり、印象が定まらないモルトだ。
奥には軽いパフュームが香る、パフュームの種類は90年代ボウモアと別のものだ。
【 味 】
甘さと酸味の個性、やはり味でも軽くパフュームを感じる。中程度のピート、アルコール感が強い。旨みが強く味わい深いモルトだ。
[ NO.5 ] パール・デ・ザンジュ シグナトリー ポートエレン cask no.359
1982-2006 405/562 24年 58.7%
【 香り 】
エレガントなシェリー樽由来の香り。軽いピート香、奥にはややえぐみが感じられる。時間を掛けるとシェリー樽からのものなのか、焦がし砂糖菓子の風味が広がってくる。
【 味 】
リフィルシェリーで熟成しているのか、強くシェリーを主張していない。かなり上手くシェリー樽を使っているといえよう。
酸味もスパイスとして適切である。アルコール感はやや強い。
開催日 2012年3月25日
参加者 13名
| No | 地区 | 蒸留所 | ビンテージ | 年数 | 度数 | 備考 |
| 1 | アイラ | カリラ | 1984 | 25年 | 51.0% | キントラ |
| 2 | アイラ | カリラ | 1991 | 18年 | 56.1% | ウィスキーエクスチェンジ |
| 3 | アイラ | カリラ | 1983 | 25年 | 56.1% | ブラッカダー |
| 4 | アイラ | カリラ | 1995 | 13年 | 59.1% | アランビック |
| 5 | アイラ | カリラ | 1993 | 18年 | 56.7% | デュワーラトレー |
テイスティングノート
山崎 白秋記
今月のお題は、「カリラ」である。
モルトの会では最多出場を誇る蒸留所であろう。それだけたくさんのボトラーズものが出回っているのであるが、劣らず人気も高いのである。
毎回感じることではあるが、カリラは甘いということだ、今回も甘いと感じたモルトが2本ある。世間一般の風評とは正反対なことに驚く。
それにしてもカリラといえばシャープなピートが売りで、5本も集まれば1本は強烈なピートの個性を感じる物がありそうであるが、今回はそんなとがったモルトは一本も無かったのである。
多彩な香り、エレガントなフルーツ、ハッカ、ミントなどなど、ピート香を取り除けばまるでスペイサイドだ。
そんなことで今回も最後までカリラとは思えなかったのである。
さて、今回のモルト5本を紹介しよう
[ NO.1 ] キントラー カリラ EX-バーボンホッグスヘッド cask no.5395 57/60
1984-2010 25年 51%
【 香り 】
トップノートはミント。北国フルーツ主体、香りは強くない。その後エレガントな南国フルーツに変身する。
バーボン樽由来のキャラメル香も感じられる。しだいにピートが強く香る。
【 味 】
南国系のフルーツ、それもかなり濃い。ピートは強く、口の中を支配する。軽いパフュームを感じる時がある。
[ NO.2 ] ウイスキーエクスチェンジ カリラ ホッグスヘッド 194/200 1991-2009 18年 56.1%
【 香り 】
トップノートはハッカ。次にいがいがとした香り、ピート由来のものであろう。時間が経てばキャラメル香も広がってくる。
【 味 】
まず感じるのはキャラメル風味、すぐさま強いピート。軽くパフュームも感じられる。やや単純な味わい。
[ NO.3 ] ブラッカダー カリラ 1983-2009 35/194 25年 56.1%
【 香り 】
たいへんエレガントなフルーツが香る、上質なエステル香も。
フルーツは梨とブドウ、しだいに香りは濃くなっていくが、下品にならずエレガントを崩さない。
ピート香は中程度に香る、熟成香も素晴らしい。
【 味 】
甘い味わいがほっとするモルトだ。フルーツはたいへん濃い。もちろんピートが主体であるが、遅れて熟成感が出てくる。
[ NO.4 ] アランビック・クラシック リフィル・ホッグスヘッド cask no.8102
1995-2008 13年 59.1%
【 香り 】
まったりキャラメルのトップノート、しだいに北国フルーツ。中程度のピート香、わずかではあるがタクアンの香り。
しだいに南国フルーツの甘い香りに満たされる。ハッカの香りも。
【 味 】
甘い味わいが心地よい、フルーツの競演。すぐさまピートが強くかぶさってくる。アルコール感が強い。
[ NO.5 ] デュワ・ラトレー カリラ シェリーバット cask no.11145 1993-2011 1/584 18年 56.7%
【 香り 】
シェリー樽由来の香りが強い、ただし嫌味は感じられない。奥にピート香、たいへんトースティ。
【 味 】
濃いフルーツ、シェリー樽由来の味わい。ピートを強く感じる、焦げたゴムも感じられ、ピートとのマッチングは良いとは言えない。

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